ビグマユの世界一周ブログ

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同性婚が認められているカナダで、「家族」として生きる。”海外移住”を選択した、さなさんへのインタビュー

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カナダ在住のさなさん

 

・目次

 はじめに

 制度だけでなく人々の考え方もアップデートされた国、カナダ。2005年に同性婚が認められてから、街中にはLGBTの象徴であるレインボーフラッグが掲げられ、同性同士で手を繋いで歩く人々の見られるようになったという。自身をレズビアンだと公表するさなさんは、同性のパートナーとカナダで生活しているそうです。

 さなさん自身のことやカナダでの生活のこと、また、日本に対してどのように感じているのか、さなさんに電話でお話を聞きました。

さなさんのプロフィール

さな

レズビアン20178月にカナダに渡航し、さなさんの同性パートナー(通称:Hさん 以下:Hさん)と結婚式を挙げる。現在は、さなさんとHさん、そしてHさんの娘とカナダでの3人暮らし。移住完了のために、永住権を取得している途中。趣味は料理。

 

時差のため、日本は朝、カナダは夜という時間帯でのインタビュー

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 レズビアンであることを自覚し、家族と対話を重ねる日々

 

 ──さなさんはご自身をレズビアンだと公表していますが、それを自覚したのはいつごろだったんですか。

好きな男の子ができないっていうのが最初の違和感で、それは小学生の時でした。修学旅行の時って「好きな人いる?」とか、「○○くん、かっこいいよね」とか恋の話で盛り上がるじゃないですか。でもわたしはその話に全然入っていけなくて。誰のことも好きだと思えなかったんです。

 

そのあと中学校、高校に進学しても好きな人はできなかったですけど、18歳の時に、付き合ってほしいと言われて付き合った彼氏がいたんです。でも、その彼のことを好きになれなくて、喧嘩もして。わたしの幼馴染の女の子に愚痴ってたら、その子が「そんな男だったら別れてあたしと付き合いなよ」って言ったんです。

 

びっくりしたんですけど、女の子と付き合うのもありなのかって思ったんです。幼馴染のことを好きかどうか分からなかったんですけど、人として好きだったから付き合ってみたんです。そしたらわたしがその子のことをすごく大好きになって。その時に、自分がレズビアンだと自覚しました。

 

 

──レズビアンだと自覚する前やその後、何か悩んだことや困ったことはありましたか。


レズビアンだと自覚する前は、わたしって人と違うのかなとか、何で好きな人ができないんだろう、って悩んだこともありました。あと、自分がレズビアンだと自覚して、カミングアウトしたときの相手の反応で困りましたね。

 

友達にレズビアンだと言っても、本当に好きな男に出会ってないからそう思ってるだけだよって言われたことがあったんです。本当に好きな女の子に出会ったから、レズビアンって自覚したのにな、って感じなんですけど。

 

 

──家族へカミングアウトしたときの反応はどうでしたか。


幼馴染の彼女と別れた後に、別の彼女ができて、その彼女を母に紹介しようと思ったんです。実際に紹介する前に、わたしは男の人じゃなくて、女の人が好きなんだよっていう話をして、わたしの彼女に会ってほしいと母に言ったんです。

 

その時に、いつもわたしの話を真剣に聞いてくれた母から初めて無視されて。そのあと母と何度も話をしても、「自分の娘がレズビアンだっていうのは、わたしは認めない」の一点張りでしたね。「テレビとかでは、レズビアン・ゲイ・トランスジェンダーと言われているLGBTの人は見たことはあるけど、自分の身内にはいないものだと思っている」とも言われました。

 

 

──家族とのコミュニケーションは、心の距離が近い分、難しそうですね。

距離の詰め方が難しいと感じますね。やっぱり家族は家族だし、大事に思っていることには変わりがありません。時間をかけて少しずつ、お互いが分かり合えるところを、探り探り見つけていくしかないなって思いますね。

 

──では、お母さんにカナダへ渡航することと伝えたときは、どんな反応だったんですか。

 移住するためにカナダへ渡航したっていうのはまだ言ってないんです。だから、これからも母と話をしないとなって。でも、今まで海外なんて興味が無かったわたしがいきなり仕事を辞めて、海外に行ったので、その背後に何かあるんじゃないかって、薄々気が付いているとは思います。でも、自分の娘がレズビアンだと確信したくないという気持ちが強いようなので、向こうからその話題には触れてこないんですけどね。

 

さなさんをレズビアンだと認めようとしない母を受け入れ、時間をかけて何度も対話を重ねる姿勢が魅力的に映る。自分を理解してくれないことに対する不満もあるだろうが、インタビュー中はそんな不満を感じさせず、根気強く、大切な家族と向き合おうとしていたように思う。それにしてもなぜ日本に住む家族を残し、カナダに渡航したのでしょうか。

 

カナダでは「家族」として認められる

 

──さなさんのパートナーのHさんも日本の方なんですよね?

そうです。日本で、レズビアンコミュニティのマッチングアプリを通して出会ったのがきっかけです。オンラインでやり取りをしていたのですが、実際に会うようになって、Hさんと付き合い始めました。

 

──お互いが日本人ということで、一緒に生活することが可能であるのに、なぜカナダに渡航したんですか。

お互いの趣味が海外旅ということもあって、旅の話で盛り上がっていた時に、Hさんが海外に移住したいと言っていたことがあったんです。ある日、「もしよかったら一緒に移住しない?」って誘われたんですが、日本の仕事辞めたら無職になるし、そもそも英語ができないし、って思ってためらってたんです。

 

でも、日本にいたら結婚できないっていうのが自分にとって大きくて。好きな人のことが大好きなのに、親にも周りにも言えないし、隠れながらずっと2人でこそこそ会う生活が続くのは、嫌だなと思いました。Hさんはもともと海外移住するって決めてたようなので、わたしはHさんのことが好きだから、一緒に行こうって決断してカナダにきました。付き合ってから3年経っていた時でした。

 

──どうしてカナダを選んだんですか。

Hさんはアフリカ以外、いろんな国を訪れたことがあって。訪れた国での生活や、海外の人との関わりを通して、移住するならカナダがいいって言ったんです。わたしが実際にカナダに住んでみると、そこに住んでいる人々はLGBTへの理解があると感じました。Hさんは既に旅中で、肌感覚を通して知っていたんだと思います。

 

──同性婚が認められているカナダで結婚式を挙げて、現在もカナダで生活されているようですが、生活していて、いいところや悪いところってありますか。

悪いところは今のところ特に感じてないですね。いいところは制度が発展しているということです。日本だと同性カップルは共通の財産を持つことができませんが、カナダだと共通の口座を開くことができます。同性カップルでも家族として保険に加入できますし、あとはビザの問題も大きいと思いますね。

 

Hさんは今カレッジに通っているので、学生ビザを取得しています。わたしはその奥さんとして、サポートビザ(家族としてのビザ)を取得しているので、わたしもカナダに滞在することができます。学生ビザだとバイトの制限がありますが、サポートビザだったら、アルバイトに制限がないんですよ。だから、わたしが働いて家計を助けることができます。それが便利ですごくいいなと思いますね。

 

──制度がすごく発展しているんですね

そうですね。あと、Hさんのことをわたしの奥さんですって、当たり前に言えることが良いですね。周りの人たちも私たちのことを見て、家族と認めてくれるので。日本にいた時、わたしの知り合いにHさんを紹介したことがあったんですけど、相手がすごく動揺してしまって、「それは仲の良い友達ってことなの?」っていう反応されました。

わたしがレズビアンであるというところから説明しても、結局分かってもらえなくて。だから、気持ちの面でも楽ですね。自己紹介のときに、自分がレズビアンで、同性同士の家族であるということを詳しく説明しなくても、すんなり理解してくれるので。あと、わたしたちを家族と認めてくれるのがすごく嬉しい気持ちもあります。

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誰かを傷つけることがないように、他者への想像力を

 

 ──日本のどんなところが変わって欲しいと思いますか。

LGBTの情報が、興味のある人にしか届かない所にある、ということですね。それによって、LGBTの人々が身近にいるということを想像させにくくしているんじゃないのかなって思います。例えば、LGBTのポータブルサイトは、興味がある人しか検索して見ないと思うんです。例えば、カナダを含めヨーロッパだと、小学校の図書館にLGBTの本が置いてあったり、本屋さんにもLGBTコーナーがあって、LGBT関係の書籍が平積みで置いてあったりするんです。

あと、いろいろなところにレインボーフラッグは掲げられているし、レインボーフラッグは
LGBTの象徴だっていうのは、すべての人にとって共通認識だと思います。生活の中にLGBT関連のものが簡単にアクセスできるようになっているのが、日本と全然違うなって。だから、自分からアクセスしないと情報が届かない上に、自分から興味を持って調べないと、LGBTがちゃんといるっていうのが、日本だとなかなか見えにくくなっていると思うんですよね。

自分の周りに、もしかしたら
LGBTがいるかもしれないっていう想像力を、すべての人が働かせられるような環境が日本でも整うといいなって思います。

 

──では、さなさんがブログを運営しているのは、周りにLGBTがいるよっていうことを発信するためでもあるんですか。

それもありますね。わたしのブログによく、Hさんとの日常の出来事を書いているんですが、自分のブログをLGBTカテゴリーにしていないんです。もしLGBTのカテゴリーに入れてしまったら、そのカテゴリーに興味がある人しか覗かないかなと思って。だったら、興味がない人にもLGBTに対して興味を持ってもらえるように、あえてLGBTのカテゴリーにはいれていないんですよ。LGBTだからといって特別扱いしてほしいわけではないんですよね。

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──最後に、LGBTを知らない人に向けて何かコメントはありますか。

「あなたの目の前にいる人はもしかしたらLGBTかもしれないよね」っていうのはいつも言いたいと思っています。わたしがレズビアンであることを知らない友達が、ある時に「ゲイの人って雰囲気で分かるよね」ってわたしに言ってきたことがあって。でもその友達の隣にいるわたしはレズビアンなんだけど、って思ったんですよね。()

相手への想像力がないと、相手を傷つけてしまうことがあるかもしれないので、LGBTだけじゃなくて何らかの少数派の人たちが周りにいるかもしれないっていうことだけ、頭の中に留めておいて欲しいなって思います。

 

おわりに

 

「日本にいたら結婚できない」、「わたしたちを家族として認めてもらえるのが嬉しい」という言葉が印象的だった今回のインタビュー。日本では同性婚が認められておらず、制度で証明できるものは、各自治体が定めるパートナーシップ制度のみである。もし日本でも同性婚が認められていて、日本に住む人々にLGBTの知識や理解があったら、さなさんは今でも日本で生活していたかもしれない。

 

さなさんにとってのより良い環境を、主体的に選択して行動した結果、今では幸せな環境で生活できていると見受けられた。しかし、さなさんのように「海外移住」や他の選択肢を選ぶ人は、ごく少数だと思われる。

日本に住んでいる同性同士のカップルが、長年一緒に生活を共にしても、周囲から「家族」として見なされず、切なさや不満を抱えて生活しているかもしれない。さなさんのインタビューを受けて、一刻も早く日本が同性婚を認め、多様なパートナーシップのカタチがあるという意識をすべての人に持ってもらいたいと感じた。

 

 取材/執筆:大瀧真優

さなさんのTwitterアカウント

さな (@sana018862) | Twitter

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LGBTのL日記

 

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わたしたちは、2019年3月から同性婚が認められた海外26ヶ国でウェディングフォトを撮る#26回結婚式という世界一周旅に出ます。

 

日本でも既にウェディングフォトを撮り始めています。

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LGBT×世界一周=#26回結婚式は「エンターテイメントによって、緩やかに社会を変えていく」を理念に活動しています。

 

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